大火や空襲で焼失した教訓を後世に伝える防火建築
「昭和」の足跡
JR静岡駅の北西に広がる静岡市の中心市街地は「おまち」と呼ばれ、伝統的な繁華街として市民に親しまれてきた。その中心部を貫く呉服町通りは昭和を思わせるアーケード商店街で、雨の日も傘をささずに店舗間を移動できるなど利便性が高い。呉服町通りに面して建つ「静岡呉服町ビル」(同市葵区)は、昭和前半の大火や大空襲の経験に基づいた〝防火建築〟としての役割も担っている。
静岡駅前から約800メートルにわたって続く呉服町通りの両側には、昭和30年ごろに建設された6棟のビルが並び、1階部分には100年以上の歴史を持つお茶や雑貨の老舗、若者に人気のカフェ、居酒屋などが隙間なく連なっている。これらのビルは、昭和15年1月の静岡大火や先の大戦末期の20年6月の静岡大空襲で中心市街地の大半を焼失した経験から計画された、街の延焼被害を食い止めるための防火ビルだ。
完成から70年近くがたつ。静岡呉服町ビルは、おまちを大規模火災から守るとともに、中心市街地のにぎわいを支える地域のシンボルの一つとなっている。
参考記事
大火や空襲で焼失した教訓を後世に伝える防火建築 静岡市葵区「静岡呉服町ビル」 「昭和」の足跡(産経新聞) - Yahoo!ニュース