残コンにCO2固定し再び生コンに
大阪・関西万博やLAGO大津で採用
2025年4月に開幕した大阪・関西万博のパビリオン「未来の都市」の入り口や通路の付近に、キューブ形のコンクリート製ベンチが多数設置されている。これらは通常だと、産業廃棄物として処理される残コン・戻りコンなどを原料とする「カーボンプール(CP)コンクリート」でつくったものだ。残コン・戻りコンとは、打設せずに生コン工場へ返送した生コンを指す。現場打設では生コンが不足しないよう数量に余裕を持って発注する場合が多く、一定量の残余は避けられない。
残コン・戻りコンを資源として循環させ新たな生コンに生まれ変わらせる技術がCPコンクリートだ。CPコンクリートの製造では、硬化前の残コン・戻りコンに粒状化処理を施し、二酸化炭素を溶かした水に漬ける。それを骨材として、セメントなどと一緒に再びCO2を溶かし込んだ水で練り混ぜたり養生したりすると完成する。残コン・戻りコン内のカルシウムはCO2と反応して炭酸カルシウム(CaCO3)を生成する。CaCO3は安定した鉱物で、コンクリートの強度に悪影響を及ぼすことがない。建物の解体で生じたコンクリート塊も同様に骨材化できる他、スラッジにもCO2を反応させて混和材としてコンクリートに使える。
参考記事
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/ncr/18/00238/043000002/