涼しさのヒントは象の皮膚にあり

電気を使わずに建物を冷やす「でこぼこタイル」

なかなか冷えない部屋のなかで「今年はずいぶん電力を使ってしまったな」と溜め息をついた。
こんな夏の1日を体験した人は少なくないだろう。
事実、建物を冷やすためのエネルギー消費は世界的に増加傾向にある。国際エネルギー機関(IEA)によると、現状の対策のままでは、冷房による電力需要が現在の3倍になると予測されているというそんななか、「電気を使わずに」建物を冷やせる画期的な建築用タイルをご存じだろうか。
このタイルは、キノコの根のような「マイセリウム(菌糸体)」と、竹の削りかすやオート麦などの自然素材を組み合わせて作られる。材料を型に入れ、暗い場所で3〜4週間育てた後、ゆっくり乾かすことで、軽くて通気性のあるタイルが完成する。
このタイルの特徴は、ゾウの皮膚をヒントにしたでこぼことした表面の形にある。ゾウは汗をかかない代わりに、しわの多い皮膚で水をためて体を冷やしている。同じように、このタイルも表面のでこぼこによって水を保持し、蒸発による冷却効果を高める仕組みになっているのだ。
マイセリウムの成長に時間がかかるため、量産が難しいのがネックだが、この技術を実際の建物で使えるように、研究が進められている。。


参考記事
涼しさのヒントは、ゾウの皮膚にあり。電気を使わず建物を冷やす「でこぼこタイル」 | 世界のソーシャルグッドなアイデアマガジン | IDEAS FOR GOOD