キノコから耐火建材
菌糸体のシートが火災から建物を守る
住宅火災の脅威が高まるなか,建物の耐火性を高める意外な素材が開発された。薄い真菌のシートだ。住宅火災の脅威が高まるなか,建物の耐火性を高める意外な素材が開発された。薄い真菌のシートだ。最近,ある研究チームがこの菌糸体を薄焼きクッキーほどの大きさのシートに成長させることに成功した。難燃剤として建材に加えることができる。現在でも難燃剤として建材に添加されることがあるアスベストとは異なり、菌糸体は炎にさらされても有毒物質を生じない。「建物火災で死傷者が出る原因は炎の強さや熱ではないことが多い。むしろ建材から出る煙や有毒金属だ」という。焦げたあとは燃えず新開発の菌糸体シートは,真菌をプラスチック容器中で独特の形に成長させ、これを数mmの厚さになるように重ねて防火マットにしたもので,建材がそもそも燃えないように守る。真菌は炭素をたくさん含んでいる。炎にさらされると,このシートの一部が燃え、水と二酸化炭素を空中に放出して火が弱まり,焼けた部分に黒い炭素の層が残る。
参考記事
キノコから耐火建材〜日経サイエンス2024年2月号より – 日経サイエンス (nikkei-science.com)