なぜ昔の家は引き戸ばっかりだったの?
大工さんに当時の考え方を聞くと面白かった
古い家をリノベしていると、あちこち「引き戸だらけ」なことに気づきます。玄関、部屋、収納、なぜか全部スライド式。「昔って開き戸を嫌ってたの?」「使いづらくなかったの?」と気になって、大工さんに話を聞いてみました。
まず大工さんに言われて驚いたのが、昔の引き戸って今の感覚とちょっと違うということ。ドアというより、たとえるなら「可動式の壁」という扱いだったそうです。昔の家は部屋の役割が今ほどはっきり分かれておらず、引き戸で空間を自在に仕切って使うのが当たり前。来客のときは全部開けて広間に、夜は閉めて寝室に、といった使い分けがしやすかったんですね。
もう一つ理由として挙げられたのが、「地震への強さ」。開き戸は枠が歪むと開閉しづらくなるけど、引き戸は多少のズレがあっても開け閉めできる構造で、日本の伝統的な木造住宅は揺れを受け流す「しなる構造」。
昔の家が引き戸ばかりだったのは、ただの“流行”ではなく、生活様式・気候・地震・建築構造に合った合理性の表れだったんですね。
参考記事
なぜ昔の家は引き戸ばっかりだったの?大工さんに当時の考え方を聞くと面白かった(DIY-FUFU) - エキスパート - Yahoo!ニュース